AWS Local Zones の特徴をまとめてみる #reinvent
こんにちは、大前です。いよいよ AWS re:Invent 2019 も半分が終わってしまいました。
本記事では、昨日発表された AWS Local Zones の特徴をまとめていきたいと思います。
どんなサービス?
AWS re:Invent 2019 のキーノートで発表されたサービスとなります。
[速報] AWS Local Zones が発表されました! #reinvent
特定エリアに AWS がインフラを展開し、ユーザは展開されたインフラを利用する事ができるサービスです。
Local Zones を使用することにより、特定のエリアからのリクエストに対して非常に低いレイテンシを実現する事ができます。
リリース時点ではカリフォルニア州ロサンゼルスでのみ使用可能となっています。
何が嬉しい?利用ケースは?
上記の通り、このサービスは AWS に対して超低レイテンシ通信を実現するものです。
そのため、レイテンシに敏感なアプリケーションやサービス、ワークロードがターゲットとなります。
公式ドキュメントにて挙げられている例としては以下があります。
- メディアとエンターテイメント
- ライブプロダクションやライブ編集など、遅延に敏感なワークロードについてレイテンシの制約を取り除きつつ、AWSの利点を享受する
- リアルタイムマルチプレイヤーゲーム
- ゲームサーバを Local Zones にデプロイする事でリアルタイムのマルチプレイヤーゲームセッションを実行
- 貯水場のシミュレーション
- クラウドで地下貯留層シミュレーションを有効にする事により、掘削ヒット率を改善しコスト効率化と意思決定の最適化を行う
- 電子設計自動化
- チップ設計者とエンジニアが Local Zones のアプリケーションやストリーミングサービスを使用する事により、遅延によって発生する問題を解決する事ができる。
- 機械学習
- モデルをホストやトレーニングがより簡単になり、高性能でて一円の推論を実現する。
Outposts との違いは?
似たサービスとして、同様にAWS re:Invent 2019 のキーノートにて発表された Outposts があります。
Local Zones との大きな違いは、「インフラをユーザが管理するかどうか」になります。
Outposts は AWS から提供されるハードウェアを自社施設に配置する事に対し、Local Zones は AWS が展開しているインフラを使用するため、従来と同じような感覚で使う事が出来ます。
ハードウェアを自社施設に配置できない場合などに Local Zones が選択されることになるかと思います。
どう使う?
AWS Local Zones は、下記ページの「Request Access」より申請を行う事で利用可能となります。
作成された Local Zones は、特定のリージョンの一部として扱われます。
例えば、ロサンゼルスの Local Zones は オレゴンリージョンに属することになり、「us-west-2-lax-1a」と言う名前でアクセスする事になります。
マネコンだと以下のように見える様です。「us-west-2-lax-1a」と表示されていますね。
利用できるサービスは?
現時点では以下がサポートされているようです。
- EC2インスタンス(T2, C5, M5, R5, R5d, I3en, G4)
- EBS(io1, gp2)
- Windows ファイルサーバー用 Amazon FSx
- Lustre用 Amazon FSx
- ALB
- VPC
近い将来、RDSも対応予定とのこと。
他のサービスについては需要を見つつ提供するとのことなので、どんどん追加されていくのではないでしょうか。
また、Local Zones で実行されるアプリケーションは親リージョンのサービスを利用できるそうです。
まとめ
AWS の新サービスである AWS Local Zones についてまとめてみました。
AWS は今までリージョンに基づいてサービスを提供していましたが、ロケーションを拡張できると言うのは色々な可能性がありそうでワクワクしますね!
今後の動向にも注目していきたいと思います。
以上、AWS 事業本部の大前でした。